店長の「勘」を「確信」に変える技術
「なんとなくこれが売れてる気がする」「この在庫、ずっとあるなぁ…」 店長なら誰もが持つその「直感」、実は宝の山です。でも、スタッフへの指示や本部への報告に「数字の裏付け」があったら、あなたの説得力は100倍になります。
今回は、アパレル管理の王道中の王道、「ABC分析」をマスターしましょう。これを使えば、お店の商品を「稼ぎ頭」と「お荷物」にバッサリ仕分け、「今すぐ何をすべきか」**が明確になります。
ABC分析とは?(パレートの法則を味方につける)
ビジネスの世界には「パレートの法則」というものがあります。アパレルで言えば、「売上の80%は、全商品のうちのわずか20%(お宝商品)が作っている」という法則です。
商品を売上貢献度が高い順に3つのランクに分けます。
- 【Aランク】上位70%:店の命。絶対に欠品させてはいけない「エース」。VMDの一等地に配置すべき商品。
- 【Bランク】70〜90%:店を支える「中堅」。Aへの昇格やCへの転落を注視すべき存在。
- 【Cランク】90〜100%:売上にほぼ貢献していない「死に筋」。棚卸しの対象や、早急な値下げ・撤去を検討すべき「家賃泥棒」。
【実践】Excel・スプレッドシートで「信号機」を作る3ステップ
STEP1:データを「売上順」に並べ替える
まずは、品番ごとの売上高(または販売点数)を準備します。
- 表全体を選択。
- [データ] > [範囲を並べ替え] をクリック。
- 「売上高」の列を選び、[降順(Z→A)] で並べ替えます。 これで、一番売れている商品が一番上にきます。

STEP2:構成比を出す
「その商品が全体売上の何%か」を計算します。ここで、初心者が一番つまづく**「$(ドルマーク)」**の出番です!
- 数式:
=B2 / $B$9(B2が商品売上、B9が合計の場合) - ポイント: 合計値のセル(B9)にカーソルを合わせたら、キーボードの [F4]キー(Macは
Command + T)を押してください。

💡 なぜ $ が必要なの? 数式を下にコピーしたとき、合計値のセルがズレないように「固定」するためです。これを忘れるとエラーが出て計算が止まってしまいます。
STEP3:累計構成比で「積み上げ算」をする
上から順番に数字を足していき、「ここまでで全体の何%か」を出します。
- 1行目はそのまま「構成比」と同じ。
- 2行目は
=上のセルの累計 + 自分の行の構成比と入力。 - そのまま一番下までコピーして、最後が「100%」になれば大成功です!

STEP4:魔法の数式で「ランク」を自動判定
最後に、以下の数式を「ランク」列の先頭に入れて、下にコピーしてください。 =IF(累計セル<=0.7, "A", IF(累計セル<=0.9, "B", "C"))

これで、一瞬にして表に「A」「B」「C」が自動で割り振られます!
分析は「動く」ためにある:店長のアクションプラン
ランクが出たら、ここからが店長の腕の見せ所です。
- Aランクを見たら: 「ストックに在庫はあるか?」「もっと目立つ場所にマネキンを着せられないか?」を考え、最大効率で稼ぎにいきます。
- Cランクを見たら: 「なぜ売れていないのか?」「場所を占領していないか?」を確認。 「Cランクを減らすことは、新しいAランク候補を置くスペースを作ること」だと捉えましょう。
まとめ:数字は「味方」にすると心強い
「ABC分析」と聞くと難しそうですが、一度フォーマットを作れば、あとは数字を貼り付けるだけ。 スプレッドシートならスマホで売場から確認できるので、スタッフへの指示出しもスムーズになります。
「なんとなく」で売場をいじる時間を、1分でも減らしましょう。 浮いた時間で、お客様との会話やスタッフ育成に集中する。それこそが、私たちが目指す「デキる店長」の姿です。



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