前回の記事では、店舗の売上を支えているのは、実は少数の常連客ではなく「圧倒的多数の1回きりのお客様(ライトユーザー)」であるというお話をしました。
今回はその【実践編】です。 「理論はわかったけど、うちの店はどうなの?」という疑問を解決するために、お手元のPOSデータを使って、自店の顧客分布を可視化する手順をステップ・バイ・ステップで解説します。
Excelが苦手な方でも、この手順をマネするだけで「お店の真実」がグラフで現れますよ!
STEP1:分析用のデータを用意する
まずは、POSシステムから「顧客別の購買履歴」をダウンロードしましょう。必要な項目は「会員ID(顧客ID)」だけでOKです。

このように、1行に1回の購買記録が並んでいるはずです。同じお客様が何度も買っていれば、同じIDがバラバラの行に何度も登場します。これが分析の「素」になるデータです。
STEP2:顧客ごとの「購入回数」を集計する
バラバラの生データを、「一人ひとりが合計で何回買ったか」というリストに変換します。
私がおすすめする「重複の削除 + COUNTIF関数」
私は実務では、データの動きが目に見えるこの方法をよく使います。
- IDを別シートにコピーして、[データ]タブの「重複の削除」を実行。これで「ユニークな顧客リスト」ができます。
- その隣の列に COUNTIF関数 を入力して、生データからそのIDが何回出てくるかを数えます。

これで、左側に「顧客ID」、右側に「その人の購入回数」という、分析に最適なリストが完成しました。
STEP3:購入頻度別の人数をグラフ化する(可視化)
いよいよクライマックスです。このリストを「回数ごとの人数」で集計し、グラフにまとめます。


見てください。これがあなたの店舗の「健康診断書」です。 左端の「1回客」の棒が、他の回数に比べて圧倒的に高くなっていませんか?
私のテストデータでも、1回客のシェアは 76.9% に達しました。これがNBDモデルが示す「アパレルのリアル」です。
まとめ:グラフを見た後、店長がやるべきこと
グラフにしてみると、今まで「なんとなく」感じていたことが、明確な「事実」として突きつけられたはずです。
- 「1」の棒を「2」へ動かす努力: 7割以上を占める「1回客」が、もう一度だけお店に来てくれる仕組みを作る。
- ライトユーザーを大切にする: たまたまフラッと立ち寄ったお客様が、気持ちよく買い物をできる環境(在庫・接客)を整える。
数字を可視化することは、勘に頼った運営から卒業し、「確率に基づいた戦略」を立てるための第一歩です。
まずはこのグラフを印刷して、バックルームに貼ることから始めてみませんか?スタッフ全員で「この一番高い山のお客様をどうお迎えするか」を話し合うきっかけになるはずです。
次回予告
この顧客分布データを使って、具体的に「来月の売上予測」を立てる方法を解説します。お楽しみに!




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